もし離婚が現実味をおびてきたら知らなくちゃいけない公正証書です。
公正証書ってご存知の方も多いと思いますが
自分は全く存在を知りませんでした。
[toc]公正証書って何?
公正証書というのは簡単に言うと
慰謝料の分割や養育費など長い年月をかけて支払うお金に対して
口約束だとそのまま支払わないで逃げないように契約する事が出来る書面です。
通常公正証書なしで養育費などの支払いがなくなった場合は裁判をしなければ強制的に相手に支払わせる事が出来ません。
この証書を作成しておけば裁判を行わなくても強制執行ができます。
どこで作るの?
公正証書は全国にある公証役場という施設で作成できます。
←こちらのサイトでお近くの公証役場が探せます。
どうやって作るの?
まずは公正証書作るにあたっての内容を考えます。
自分の例を紹介します。
自分の場合は慰謝料を相手が全額一気に払えないだろうと思い分割にしました。
しかしどんな内容で作ったらいいのかわからないので
離婚協議書という書面を作ろうと思いました。
離婚協議書とは離婚時や離婚後の約束事を書面にしたものです。
離婚前協議される内容は子供の親権と養育費や慰謝料の金額などです。
口約束で決めても後から約束なんてしてないなんて問題にもなるので
当事者同士の合意文書として残しておいたほうがいいと思います。
ネットで離婚協議書のテンプレート見つけて
自分の条件に当てはまるように変更して作りました。
以下の文が名前金額を伏せた実際自分が作った離婚協議書です↓↓↓↓↓
離婚協議書
第1条 夫 自分の名前 (以下、「甲」)と妻 相手の名前 (以下、「乙」)は、協議離婚することに合意し、下記の通り離婚協議書を取り交わした。
第2条 甲は各自署名捺印した離婚届を平成 年 月 日までに、 役所に提出するものとする。
第3条 甲乙間に生まれた未成年の子である長女 子供の名前 (平成 年 月 日生、以下「丙」)の親権者を甲と定める。 甲は丙の監護権者となり成年に達するまで、これを引き取り養育する。
第4条 乙は甲に対し丙の養育費として平成 年 月から平成 年 月まで、毎月25日までに、金 万円を、甲の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。 2 振込み手数料は乙の負担とする。 3 甲乙は、上記に定めるほか、丙に関し、入学や入院等、特別な費用を要する場合は、互いに誠実に協議して分担額を定める。 4 上記養育費は、物価の変動その他の事情の変更に応じて甲乙協議のうえ増減できる。
第5条 乙は、甲に対し、慰謝料として金 万円の支払義務があることを認め、これを 回に分割して、平成 年 月から平成 年 月まで、毎月25日までに金 万円を甲の指定する金融機関の預貯金口座に振り込んで支払う。 2 振込み手数料は乙の負担とする。 3 乙について、下記の事由が生じた場合は、甲の通知催告を要さず、乙は、当然に期限の利益を失い、甲に対して残金を直ちに支払う。 (1) 分割金の支払いを1回でも怠ったとき。 (2) 他の債務につき、強制執行、競売、執行保全処分を受け、或いは公租公課の滞納処分を受けたとき。 (3) 破産、民事再生手続開始の申立てがあったとき。 (4) 手形交換所の取引停止処分を受けたとき。 (5) 甲の責めに帰することができない事由によって、所在が不明となったとき。
第6条 甲が、病気及び怪我のために丙に特別出費したときは、乙は甲の請求により、その費用を直ちに支払うものとする。
第7条 乙の丙に対する面接交渉については、以下の内容とする。 1 面接は月に 回、 時間以内とし場所は甲乙協議の上決定する。 2 甲は、乙が丙と ヶ月に 回、宿泊を伴う面接交渉をすることを認める。 3 面接時は事前に乙は甲に連絡するものとする。
第8条 甲及び乙は、住所、居所、連絡先を変更したときは、遅滞なく書面により相手方にこれを通知するものとする。
第9条 本契約から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を甲の住所地を管轄する裁判所をもって合意管轄とする。
第10条 甲と乙は、上記の各条項の外、名義の如何を問わず金銭その他の請求を相互にしないこと、及び甲乙以外の者が 本件合意内容には一切干渉しないことを相互に確認した。
第11条 甲及び乙は、本合意につき、強制執行認諾約款付公正証書を作成することを承諾した。
上記のとおり合意したので、本書二通作成し、甲乙各自署名押印の上、各自一通ずつ保有する。
平成 年 月 日
(甲) 住所
氏名 (印)
(乙) 住所
氏名 (印)
これが実際自分が作った離婚協議書です。
簡単に解説します
* 第1条 自分と相手が離婚する事に同意したよ
* 第2条 離婚届けを何日までに、どこに、誰が、もっていきますよ
* 第3条 どちらが子供の親権をもつか決めましたよ
* 第4条 相手は自分に対して養育費を、いつからいつまで、いくらの金額を、どんな方法で、払いますよ。これからもし入院したり入学したりした場合は相手互いに話しあって養育費を増やすかもしれないしに相手に何かあった場合減らしたり話しあいできめられますよ
* 第5条 相手は自分に対していくらの金額を分割して慰謝料として払いますよ。相手が一回でも支払いがなかったりいきなり連絡なく居場所がわからなくなったりした場合は一括で払ってもらいますよ
* 第6条 自分が病気や怪我して特別な出費した場合、相手に請求して払ってもらいますよ
* 第7条 面会をこんな感じで決めましたよ
* 第8条 相手は住所や連絡先を変えた時は自分に教える義務がありますよ
* 第9条 もしこの件で裁判で争うケースになったとしたら自分の住んでる近くの裁判所でやりますよ
* 第10条 この文面に書かれている以外の金銭の要求はしませんよ
* 第11条 強制執行ができる公正証書を作るよ
ざっくり解説ですがこんな感じです。
この離婚協議書を作っただけでは法的な効力は発揮しないので
この書面を元に公証役場にて公正証書を作成します。
作成時の注意点
上記の内容を公証役場にて公証人が文面をチェックします。
なので一方的にこちらに有利な物は受理されません。(子供の面会は絶対させないとか、好きな時に支払い金額を増やすとか)
そして大事なのが第11条。強制執行認諾約款付公正証書。
これを記載しないと強制執行ができる公正証書にはなりません!
そして第1に自分と相手がこの文面に記載しているすべての事に同意がないと作成出来ません。
なので作成を依頼する時は二人で公証役場に行かなければいけません。
相手の同意が一番難しいかと思います。
それから印鑑証明と手数料も必要です。手数料は請求金額で増減します。 さらに公正証書の効力は離婚届けが受理されてから発生します。
まとめ
公正証書作成の手順をまとめます。
1. 離婚協議書を作成する。
2. 相手に合意を得る
3. 合意が取れた離婚協議書を公証役場に持って行き公証人に見てもらう
4. 二人で公証役場に行き作成する
5. 離婚届けを提出する
以上が自分が経験した公正証書の作成の流れです。
色々なケースがあると思うのでこのケースが役立つかわかりませんが
少しでも役に立つと嬉しく思う反面
役に立つと
せっかくご縁があって一緒になったお二人が
離婚という道に進むので
正直複雑な気持ちです。
それではこの辺で。